12月17日(土)技術士稲門会主催で大田区清掃工場の見学会を実施ました。会員である二階堂久和さんが大田清掃工場長としてお勤めで、便宜を図っていただきました。他大学の技術士同窓会等にもお声かけさせていただき26名の方が参加しました。
見学は二階堂工場長自らご案内役をお努めいただきました。清掃工場は、都市生活には必要欠くべからざる都市施設です。ゴミを捨てた後はその行方についてほとんどの方は承知してないのが現実です。
立地場所は大田区京浜島です。東京湾に面し、羽田空港に隣接し、周辺は昭和30年代に埋め立てられた人工島です。周辺は鍛造工場など、昭和40年代に東京の内陸に立地していた騒音、振動を出さざるを得ない工場です。東京の産業には必要な工場です。
清掃車からゴミを投げ込まれるバンカー、ゴミが効率よく焼けるよう、コンピューター処理でゴミをまんべんなく混ぜ、クレーンで焼却炉に投下し、必要な温度管理をしながら焼却し、というプロセスが良く分かりました。
見学者のルートは眺望に配慮され、隣接の羽田国際空港、川崎の臨海工業地帯、千葉県側の工業地帯、東京タワー等の景色を楽しむことができました。眺望を売り物に民活で商業施設を併設したら、そこそこのビジネスが成立するのではとも感じました。
見学終了後、大森駅近くで忘年会を開催しました。二階堂工場長のお心遣いに感謝です。多くの参加者に感謝です。大変有意義で楽しい見学会でした。今後も見学会を企画します。
ご提案がありましたら、会長、幹事へお声をお届けください。
会員の皆様には、今年1年、技術士稲門会の運営にご協力いただき、ありがとうございました。来年も階の運営に対しましてご協力、行事へのご参加よろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。
会長 原田敬美
平成23年12月会長挨拶
平成23年11月会長挨拶
11月28日母校土木学科(現在は名称は異なりますが)教授小泉先生を訪問しました。森田さん、岡さんと3人で面会し、日頃技術士稲門会がお世話になっているお礼を申し上げました。
かねてからの懸案課題の一つ、技術士稲門会の学校への恩返し活動、学校との連携活動の具体化の件です。「先輩による学生への研究助言制度の構築」についてお話をしました。会員の中から19名の方から、研究論文やお仕事の実績表をお送りいただきました。それを整理し、小泉先生に手渡しました。
小泉先生は土木の先生ですので、当面土木系の学生さんが、技術士の先輩に卒論や修論の助言をもらいたいと言う時に、関係分野の研究をしたことのある会員を技術士稲門会が責任もって紹介し、学生への助言活動をするという試みを実践しましょう。
試行錯誤を経ながら、実績が積み重なれば、他の学問分野にも広げていただき、最終的には理工学部全体と技術士稲門会がネットワークを構築できればと思っております。ぜひ、会員の皆様に、学生への助言活動を通して、大学との連携、恩返しをし、技術士稲門会の更なる発展につなげて行ければと思います。
技術士稲門会としての課題があります。同窓会として対応する以上、同窓会として助言活動のマニュアル作りをしなければなりません。最近社会の話題にあるよう、アカハラ、セクハラ対応も明確にしなければなりません。どのように助言をすれば学生から喜ばれ有意義で実りある活動となるか、会員の皆様と幹事団と意見交換を重ね、ガイドラインを作りたいと思います。
現在、研究実績表を提出いただいた会員は19名ですが、ぜひ多くの同窓生から提出いただければ幸いです。
また、海外に飛躍したい学生もいると思いますが、私含め海外留学経験をお持ちの方、海外勤務のご経験のある会員には、海外留学や海外勤務の助言もできるとよいと思います。
原田敬美 72建築学科卒、74修士修了、
技術士(建設)、工学博士、一級建築士
技術士稲門会会長(フルブライト同窓会会長)
第9回「微細気泡の応用技術」講演会 ご案内
第9回「微細気泡の応用技術」講演会
http://www2.scej.org/cre/rf/index.html
・主 催:化学工学会反応工学部会「反応場の工学 分科会」
・協 賛:日本海水学会、技術士協同組合、NPO日本技術経営責任者協議会、日本産業洗浄協議会
JSTイノベーションサテライト茨城、(社)日本技術士会上下水道部会
・日 時:2011年 12月2日(金)13:30~17:10(受付13:00~)
・場 所:千葉工業大学 津田沼キャンパス 新1号棟2階 会議室
〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1、TEL 047-478-0415(尾上研究室)
<交通> http://www.it-chiba.ac.jp/index.html
JR総武線「津田沼」駅から徒歩3分
・プログラム:
1)講演会: [共通テーマ;どこまでいくのかマイクロ・ナノバブルの洗浄・殺菌力]
13:30-13:40 開会挨拶と連絡事項
千葉工業大学工学部生命環境科学科 教授 尾上 薫
13:40-14:30 「マイクロバブルを利用した半導体の洗浄(仮題)」
産業総合研究所 主任研究員 高橋 正好
14:30-15:20 「オゾンマイクロバブルと光触媒を用いた液相中有機物質分解」
(株)テクノ菱和 技術開発研究所 主任 安井文男
15:30-16:20 「マイクロバブルによるオゾン水の作製とその殺菌効果(仮題)」
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 上席研究員 椎名武夫
16:20-17:10 「下水及び排水分野におけるオゾンマイクロバブルの応用技術
−実証実験と解析評価−」
(株)日立製作所 日立研究所 主任研究員 日高正隆
2)技術交流会(17:20-18:20)
・参加費:主催・協賛団体の個人正会員:4,000円、学生会員:1,000円、その他:6,000円、
技術交流会参加者は上記金額にプラス2,000円(学生はプラス1,000円)
(当日会場にて徴収致します。)
・申込み方法および申込み先:参加ご希望の方は、(1)参加者氏名、(2)所属と職位、
(3)所属する主催・協賛団体名もしくは非会員の場合はその旨、(4)交流会参加
希望の有無を明記の上,電子メールにて下記の松本宛にお申し込み下さい。
〒275-0016 習志野市津田沼2-17-1 千葉工業大学工学部生命環境科学科 尾上 薫
(連絡窓口) 千葉工業大学工学部 松本 真和
Tel: 047-478-0415, メール: masakazu.matsumoto[アットマーク]it-chiba.ac.jp
「3人の80代の師」 (平成23年10月会長挨拶)
生涯現役という言葉があります。
私は、学校を終えてから独立自営で仕事をしております。文字通り、生涯現役を貫くつもりですし、また、そうせざるを得ません。
技術士の資格を取得し、資格を活かし、生涯現役で頑張ろうと言う会員も多いと思います。本田前会長も80過ぎまで生涯現役でご活躍です。
私は62歳です。70歳代、80歳代でどのようになるか、想像が付きません。しかし、お付き合いしている師が80歳代で、目標としています。
まず、建築家の菊竹清訓氏です。83歳です。建築分野の方ならご存知の、早稲田が誇る世界の建築家です。
早稲田卒業以来、独立自営で、世界に衝撃を与える建築デザインを創り出してきました。創作意欲と活動に大変なパワーをお持ちです。
若い時弟子入りし大きな影響を受けました。独立後もご交誼いただき、よく国際会議等ご一緒しました。
博士号を取りなさいと早稲田理工総研に研究費を用意いただき、非常勤研究員として招いていただきました。
2人目は伊藤延男氏です。80代半ばと思います。日本伝統建築の文化財研究の第一人者で、文化功労章受賞者です。
月1回日本建築研究会という伝統建築を学ぶ会を30年続けております。研究会の顧問です。
研究会で全国の伝統建築の見学に出かけす。伊藤先生のおかげで、国宝、重文の建築物を解説付きで視察しております。
伊藤先生は今でも学会論文を書き続け、最近では、お茶会の会記の文献を基に茶会の分析や、尺度基準から京都の都市の寸法の研究をしたりしています。
3人目は永松陟氏です。83歳、剣道範師八段で、日本の代表的な剣道指導者です。現在私が剣道の指導をいただいている先生です。
毎週2度稽古をつけていただいております。驚くのは、7段の若手がかかっても、軽くいなして、かわしてしますことです。
稽古は1時間近くに及びますが、元に立ち、若い連中が5分単位で稽古をつけていただきますが、1時間立ち続け、指導を続けます。
足腰も姿勢もしっかりし、スケジュール管理もメモも取らず記憶するという素晴らしさです。
生涯現役で、このような師を目標に、元気で活躍できる80代を迎えたいと念じております。
原田敬美 技術士稲門会会長 72年建築学科、74年修士
異分野交流の勧め(会長挨拶、23年9月)
暑さ寒さも彼岸までと言いますが、爽やかな秋の季節となりました。
9月21日台風15号が関東地方を直撃しました。その前後、紀伊半島、中部地方、東北地方を通過しましたが、会員の皆様にはご無事のこととお祈り申し上げます。
先日たまたま、本棚を整理していましたらバックミンスター・フラーの本を目にしました。
フラーはアメリカのユニークな建築家で世界的に知られた方です。フラードーム、プレファブ建築等で知られています。正規の建築教育は受ける機会は無く、海軍時代に多くの機械技術を学び、独学で建築技術者になった方です。その技術は世界に影響を与えました。
フラードームと称して様々なドームの技術提案をしました。その中でサッカーボール状の64面体のドーム状の物体は、今は赤ちゃんの玩具として売られております。恐らく、多くの方が目にしていると思います。
12、3年前、ライス大学化学学部のカーリー教授等は炭素原子C60の構造を発見、フラーレン構造と名付け、ノーベル賞を受賞しました。カーリー教授がどういういきさつでフラードームを知ったかわかりませんが、C60の硬い物質性状から、その構造がフラードームのようになっているのではないかと仮説を立て、様々な方法で立証し、その成果が世界に認められました。
建築を生業にしているものとして、化学者がフラードームについて知識を持ち、化学構造と建築構造を結びつけたことに驚きました。日頃、異分野のことにも注意を払っていることと思います。異分野の方方ともお付き合いをしていることと思います。もし、フラードームのことを知らなければ、こうした世界的発見はあり得なかったと思います。
改めて異分野交流の大切さを認識しました。
話変わり、フラー氏のオリジナルスケッチを見にフラー氏の後継者に会いに行ったことがあります。ニューヨーク市クイーンズ区にイサム・ノグチ美術館があります。その館長がショウジ・サダオ氏です。日系人です。氏はかつてフラー氏の下で仕事をしておりました。その関係でフラー氏のスケッチを大切に保管しております。新聞紙大の大きさの紙に見慣れたドームの設計図を見ました。
技術士稲門会会長 原田敬美
1972年建築学科卒業、1974年修士修了、技術士(建設)、博士(工学)、一級建築士
人材開発と技術士資格(会長挨拶、23年8月)
技術士稲門会会員の皆様、残暑お見舞い申し上げます。
最近の話題と技術士資格について書きます。
先日都内某区の総務部長が私の事務所に挨拶に見えました。ご縁で、たまたまその区の技術系幹部職員人事等についてボランティアでご助言をさせていただいております。
総務部長は早稲田大学政治経済学部出身即ち稲門の方です。総務部長曰く「公務員は就職する時は優秀ですけど、10年くらいすると能力が疑わしい職員になってしまうんですよ」
「いや、そんなことないでしょう」と返事をしたものの、率直な所、私も同感です。
40年ほど前、私は公務員試験を受験しました。(建設省に内定しました。)大変な競争率でした。私が受験した時、国家公務員上級職の建築職は20倍位いと記憶しております。私事で恐縮ですが、長女が警視庁女性警察官試験を受験した時、採用50名で応募者が1000人位いたと聞いております。23区の試験も東京都庁の試験も競争率10倍以上と思います。レベル的には国家公務員I種とほぼ同レベルの難しさと思います。
某区総務部長の話ではありませんが、私が区長を務めた港区でも同じ状況ではないかと感じました。港区には技術士はいません。東京都庁には50人位いると聞きました。自ら資質向上に努めようと港区長時代、技術系職員に論文研究の私塾を開くから参加をと声かけしたら、ほとんど参加者ゼロでがっかりしました。勉強しようという風土が無いと感じました。
資格取得のためには、組織の幹部や同僚たちが、職員に能力開発のために資格を取らせようという強い動機が必要です。残念ながら、勉強に不熱心、無関心な幹部を見ました。
組織の職員は、技術士資格を取得しても出世するわけでないし、昇給するわけでないし、下手すれば、周囲のヤッカミの対象となったり、はたまた、あいつは独立するつもりか?など疑いの目(?)を向けられます。
先日、某県某町役場の技術系職員と会いました。技術士を所持しています。「失礼ながら、公共事業もそれほど多くない小さな町で、技術士を取得するのは大変でなかったですか?技術士の仲間が少ない中での受験は大変だったのではないですか?周囲から期待されているのではないですか?」と語りかけました。頑張る人はどこでも頑張っているのだと感銘を受けました。
小さな町役場でも頑張る人がいる。都内某区の施設課長、某県の都市計画部長、地方の小都市某市の建築職員が工学博士を所持している、などお話をしました。
職員が資格取得のために勉強を継続すれば、組織としての力量が高まります。技術系職員が技術士などの資格に挑戦するような環境づくりをするべきと総務部長に助言しました。
民間であれ、官庁であれ、技術士資格取得の動機づけの1つになると思います。
後輩達に、組織人であれ個人業であれ、自己啓発、資質向上のため技術士資格を取得するよう激励しましょう。応援しましょう。仲間を増やしましょう。
暑い日が続きます。お体にお気を付けになりご活躍ください。
私事ですが、私は一日おきに剣道稽古、また、毎週末10キロ走っております。
原田敬美 技術士稲門会会長
72年建築学科卒、74年修士卒、技術士(建設)、博士(工学)、一級建築