平成24年3月会長挨拶

日米研究体制の違いの本質

 讀賣新聞3月17日の一面「列島再生:新たな国土づくり」で世界的な大学連携の紹介がありました。政府の研究を支える体制の問題提起、日本の大学の研究体制に関する問題提起がされました。
 私は、日米の大学で学んだ体験を通して、どなたも書いていない課題を提起します。双方の根本的な違いの本質を理解することであり、日本の大学批判、問題指摘の類ではありません。
 キーワード風に言うと、「相撲部屋」と「プロレス興行(あるいは野球でもよい)」の違いです。大学研究室含め、日本の社会は相撲部屋に例え、アメリカをプロレス(野球)興行に例えると分かり易いです。
 外国人が相撲に参加する際、相撲部屋に弟子入りさせられ、親方、先輩からげんこつ含め徹底的にしごかれ、日本人以上に日本語がうまく話せるようになり、日本式生活の中で相撲の稽古に励むことになります。
 プロレス(野球でも)では、能力あればどこのリングにでも参加でき、英語を話せなくても、陽気で親切な仲間が(もちろんライバルではあるが)支えてくれ、技を教えてもらい、上を目指し頑張ります。
 メジャーリーグから帰ってきた新庄選手は、「英語はどの程度上達しましたか?」の記者の質問に「How are you doing?程度は覚えたよ…」でした。恐らく、失礼ながら、イチローも松井の英語力もその程度と思います。
 メジャーのチームで先輩達から、英語を覚えさせるためのシゴキや鉄拳制裁はありません。アメリカには、そもそも先輩・後輩という実態、概念がありません。全てファーストネームで呼び合います。教授に対しても同様です。
 日本の大学では、研究室制度で、研究室に属すことを義務付けられます。相撲部屋の徒弟制度と同じです。教授は親方であり、先輩、後輩の関係は厳然としています。あまり自由な討論をする環境ではないと思います。
アメリカの大学には研究室制度がありません。プロレス興行と同じで、どこのリングに上がっても、自由選択です。教授など研究リーダーはいますが、親方ではありません。討論は自由ですし、また、討論が重要視されます。
日本の大学では、卒論生として研究室に在籍を義務付けられ、もし、大学院に進学する場合、修士課程、博士課程も同じ研究室に在籍することが義務づけられます。相撲でも同じ相撲部屋の在籍が義務付けられます。
アメリカでは、学部を卒業すると、一度社会人を経験し、それから学部と異なる大学の修士課程に入り、さらに、社会で実務を積み、必要と思えば、また、異なる大学の博士課程に入ります。
日米の大学には、以上のような本質的な違いがあります。日本の大学制度は変わらないでしょう。変えられないでしょう。第2次大戦後のマッカーサーのような人物が現れない限り。
 私は、日本の大学は問題があり、アメリカの大学は優れているという主張をしているのではなく、日本には、相撲文化があり、外国人が憧れ、相撲とりになるために来日する意欲ある若者がそこそこおります。
 アメリカの大学の評価軸と比較したら、負けるに決まっております。相撲文化を育てるような気持で、日本の方式の研究運営を進めたらよいと思います。
相撲協会全体が相撲取りの面倒みるような体制があります。素晴らしいです。
 教授(親方)が、就職先を探してくれ、斡旋をしてくれます。場合により婚活のお見合いや仲人もやってくれます。アメリカの大学にはないことです。家族的なところがあります。
そうした違いを認識しないと、一面的にどちらが良いということはできません。一方、相撲部屋とプロレス(野球)方式の並立を考えないと、欧米志向の海外の人材は日本に来ませし、欧米志向の日本人はアメリカの大学に流出します。

技術士稲門会会長、
技術士(建設)、博士(工学)、一級建築士
1972年建築卒、1974年修士卒
元早稲田大学理工総研客員研究員
元早稲田大学国際部同窓会長
(フルブライト同窓会会長)

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平成24年2月会長挨拶

防災と技術監査

1月、東京26市の監査委員約90名を前に研修会講師を務めました。
その話題の一つに、防災と技術監査について話してほしいという要望がありました。
各県、各自治体は、予算をかけ、防災計画を策定しています。また、防災施設を建設しています。
監査委員は、予算の執行について、仕事の意義、質、内容、効果などについて、監査し、適切かどうか評価をし、市長と議会に報告し、公表します。
昨年の東日本大震災の現実を見ると、結果論ですが、酷な表現ですが、各自治体の防災計画や防災施設建設に問題があったということになります。
防災計画の発災想定が適切か、被害想定が適切か、避難計画が適切か、行政の復旧計画が適切かなど、おそらく監査対象外だったと思います。
監査委員は、多くが、公認会計士か税理士、あるいは、弁護士等の資格者です。会計が中心となりますので、会計、法律分野の専門家が就任します。
監査委員が技術のことは素人だから監査しません、できませんでは困ります。技術士等専門家を活用し、代理で監査してもらえば良いことです。
技術士の重要な活動分野です。

原田敬美
技術士稲門会会長
技術士(建設)、博士(工学)、一級建築士
72年建築学科卒、74年修士修了
元早稲田大学国際部同窓会会長
元理工総研客員研究員

追伸
フルブライト同窓会長を努めております。フルブライト留学生が発足して本年60周年を迎え、5月26日(土)記念事業を開催します。2010年度ノーベル賞受賞者根岸英一先生に基調講演をお願いしております。無料公開です(事前予約制)。ご関心ある方、ご出席ください。チラシは4月上旬にできますので、改めてご案内します。
先日根岸先生とお目にかかり打ち合わせをしました。留学談議と日米の大学研究体制の違いについて大いに議論が盛り上がりました。

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平成24年新年会長挨拶

あけましておめでとうございます。
技術士稲門会会員の皆様にはお健やかに新年をお迎えになられたこととお慶びを申し上げます。
 本年も皆様のご協力で技術士稲門会の更なる発展を図りたいと思います。
 総会、勉強会、見学会、母校との連携、他大学技術士会との連携など様々な企画を進めたいと考えております。
会員の皆様からもご意見ご提案をお待ち申し上げます。
 皆様のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げます。

平成24年新年
技術士稲門会会長
原田敬美
技術士(建設)、博士(工学)、一級建築士
72年建築学科卒、74年修士修了
前港区長、元早稲田大学国際部同窓会会長、元理工総研客員研究員

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平成23年12月会長挨拶

 12月17日(土)技術士稲門会主催で大田区清掃工場の見学会を実施ました。会員である二階堂久和さんが大田清掃工場長としてお勤めで、便宜を図っていただきました。他大学の技術士同窓会等にもお声かけさせていただき26名の方が参加しました。
 見学は二階堂工場長自らご案内役をお努めいただきました。清掃工場は、都市生活には必要欠くべからざる都市施設です。ゴミを捨てた後はその行方についてほとんどの方は承知してないのが現実です。
 立地場所は大田区京浜島です。東京湾に面し、羽田空港に隣接し、周辺は昭和30年代に埋め立てられた人工島です。周辺は鍛造工場など、昭和40年代に東京の内陸に立地していた騒音、振動を出さざるを得ない工場です。東京の産業には必要な工場です。
清掃車からゴミを投げ込まれるバンカー、ゴミが効率よく焼けるよう、コンピューター処理でゴミをまんべんなく混ぜ、クレーンで焼却炉に投下し、必要な温度管理をしながら焼却し、というプロセスが良く分かりました。
 見学者のルートは眺望に配慮され、隣接の羽田国際空港、川崎の臨海工業地帯、千葉県側の工業地帯、東京タワー等の景色を楽しむことができました。眺望を売り物に民活で商業施設を併設したら、そこそこのビジネスが成立するのではとも感じました。
見学終了後、大森駅近くで忘年会を開催しました。二階堂工場長のお心遣いに感謝です。多くの参加者に感謝です。大変有意義で楽しい見学会でした。今後も見学会を企画します。
ご提案がありましたら、会長、幹事へお声をお届けください。
 会員の皆様には、今年1年、技術士稲門会の運営にご協力いただき、ありがとうございました。来年も階の運営に対しましてご協力、行事へのご参加よろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。
 会長 原田敬美

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平成23年11月会長挨拶

 11月28日母校土木学科(現在は名称は異なりますが)教授小泉先生を訪問しました。森田さん、岡さんと3人で面会し、日頃技術士稲門会がお世話になっているお礼を申し上げました。
かねてからの懸案課題の一つ、技術士稲門会の学校への恩返し活動、学校との連携活動の具体化の件です。「先輩による学生への研究助言制度の構築」についてお話をしました。会員の中から19名の方から、研究論文やお仕事の実績表をお送りいただきました。それを整理し、小泉先生に手渡しました。
 小泉先生は土木の先生ですので、当面土木系の学生さんが、技術士の先輩に卒論や修論の助言をもらいたいと言う時に、関係分野の研究をしたことのある会員を技術士稲門会が責任もって紹介し、学生への助言活動をするという試みを実践しましょう。
 試行錯誤を経ながら、実績が積み重なれば、他の学問分野にも広げていただき、最終的には理工学部全体と技術士稲門会がネットワークを構築できればと思っております。ぜひ、会員の皆様に、学生への助言活動を通して、大学との連携、恩返しをし、技術士稲門会の更なる発展につなげて行ければと思います。
 技術士稲門会としての課題があります。同窓会として対応する以上、同窓会として助言活動のマニュアル作りをしなければなりません。最近社会の話題にあるよう、アカハラ、セクハラ対応も明確にしなければなりません。どのように助言をすれば学生から喜ばれ有意義で実りある活動となるか、会員の皆様と幹事団と意見交換を重ね、ガイドラインを作りたいと思います。
 現在、研究実績表を提出いただいた会員は19名ですが、ぜひ多くの同窓生から提出いただければ幸いです。
 また、海外に飛躍したい学生もいると思いますが、私含め海外留学経験をお持ちの方、海外勤務のご経験のある会員には、海外留学や海外勤務の助言もできるとよいと思います。

原田敬美 72建築学科卒、74修士修了、
技術士(建設)、工学博士、一級建築士
技術士稲門会会長(フルブライト同窓会会長)

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第9回「微細気泡の応用技術」講演会 ご案内

第9回「微細気泡の応用技術」講演会
               http://www2.scej.org/cre/rf/index.html
・主 催:化学工学会反応工学部会「反応場の工学 分科会」
・協 賛:日本海水学会、技術士協同組合、NPO日本技術経営責任者協議会、日本産業洗浄協議会
     JSTイノベーションサテライト茨城、(社)日本技術士会上下水道部会
・日 時:2011年 12月2日(金)13:30~17:10(受付13:00~)
・場 所:千葉工業大学 津田沼キャンパス 新1号棟2階 会議室
        〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1、TEL 047-478-0415(尾上研究室)
        <交通> http://www.it-chiba.ac.jp/index.html
         JR総武線「津田沼」駅から徒歩3分
・プログラム:
1)講演会: [共通テーマ;どこまでいくのかマイクロ・ナノバブルの洗浄・殺菌力]
13:30-13:40  開会挨拶と連絡事項
                 千葉工業大学工学部生命環境科学科 教授  尾上  薫
13:40-14:30  「マイクロバブルを利用した半導体の洗浄(仮題)」
                        産業総合研究所 主任研究員 高橋 正好
     14:30-15:20  「オゾンマイクロバブルと光触媒を用いた液相中有機物質分解」
                  (株)テクノ菱和 技術開発研究所 主任  安井文男
     15:30-16:20  「マイクロバブルによるオゾン水の作製とその殺菌効果(仮題)」
      (独)農業・食品産業技術総合研究機構 上席研究員 椎名武夫
16:20-17:10  「下水及び排水分野におけるオゾンマイクロバブルの応用技術
             −実証実験と解析評価−」
             (株)日立製作所 日立研究所 主任研究員 日高正隆
    2)技術交流会(17:20-18:20)
  
・参加費:主催・協賛団体の個人正会員:4,000円、学生会員:1,000円、その他:6,000円、
     技術交流会参加者は上記金額にプラス2,000円(学生はプラス1,000円)
(当日会場にて徴収致します。)
・申込み方法および申込み先:参加ご希望の方は、(1)参加者氏名、(2)所属と職位、
(3)所属する主催・協賛団体名もしくは非会員の場合はその旨、(4)交流会参加
希望の有無を明記の上,電子メールにて下記の松本宛にお申し込み下さい。

〒275-0016 習志野市津田沼2-17-1 千葉工業大学工学部生命環境科学科 尾上 薫
(連絡窓口) 千葉工業大学工学部 松本 真和
      Tel: 047-478-0415, メール: masakazu.matsumoto[アットマーク]it-chiba.ac.jp

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