平成24年4月会長挨拶

ニューヨークタイムズと日本の一般紙における技術記事の違い
 正確な記憶はありませんが、1990年代後半からニューヨークタイムズをインターネットで読み始めました。夕方の4時頃配信があります。ニューヨーク時間は同日の早朝の5時頃(夏時間と冬時間で異なりますが)ですから、ニューヨーカーよりも早くニューヨークタイムズを読めることになります。
 ニューヨーク発のニュースがNHKの朝のニュース番組で放送されますが、NHKニュースよりも早くニューヨーク発のニュースを知ることができます。
 ところで、紙面の構成です。日本の一般紙は、ご承知のとおり、一面は国際、政治など、2面以降は経済、スポーツ、地域(東京なら都内版)、最後は社会面という内容です。
 ニューヨークタイムズなどアメリカの新聞の構成は日本の新聞と異なります。最近は現物を見ていませんが、記憶では、第一面に、まず地域のニュース、次に、国内、国際、政治、経済、スポーツ、芸術というような構成だったと思います。
 インターネット版では、トップニュース、世界、国内、政治、技術、芸術、ニューヨーク地域、論説という構成です。驚きは「技術」、「芸術」という分類があることです。建築デザインと建築技術を生業にする立場からはニューヨークタイムズに興味をそそられます。
 日本の一般紙では、「技術」、「芸術」は日曜版とか特別編集の場合にしか見られません。
 ニューヨークタイムズの「技術」面は、さながら日刊工業新聞か建設工業新聞かと見間違うほどです。ちなみに某日の「技術」面の項目を見ると、マイクロソフト、ノキア、携帯電話、情報通信技術などの記事が満載でした。
 日本では「技術」「芸術」は専門分野であり、オタク的にみられている分野かと思いますが、ニューヨークタイムズを読む限り、アメリカでは技術、芸術が日常生活の中で論じられています。
 技術大国の日本です。アメリカ以上に技術の話題が一般紙で普通に報道され、一般の読者が技術について、普通に世間話の話題にするようになればと念じております。

技術士稲門会会長 原田敬美
1972年建築学科卒、1974年修士修了
技術士(建設)、博士(工学)、一級建築士
元早稲田大学理工学総合研究センター客員研究員
元早稲田大学国際部同窓会長

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