独立行政法人 物質・材料研究機構 見学記

平成24年10月11日(木)最近完成した物質・材料研究機構(つくば 並木サイト)のNanoGREEN/WPI-MANA棟を中心に当会会員5名、関係者1名の合計6名で見学しました。この建物の建築に関わった当会の阿部さんのご紹介により実現したものです。初めに同研究機構と新しい施設の紹介を大会議室で受けました。

優秀な研究者を集め、ノーベル賞級の研究成果を出す目標であるとのことで、多くの若い外国人研究者を構内で見かけました。見学対象の建物は、最近出来上がったもので、建物全体のエネルギー消費を抑える工夫が随所に見られました。構内の主要な設備、研究用の部屋を案内していただきました。研究者の人材交流が容易にできる工夫も考慮されており和室風の休憩エリヤやそれ以外も休憩エリアがあり研究者の自由な発想を促す気遣いが見られます。研究室は廊下からガラス越しで良く見える工夫もしており全体的に解放感があります。ガラスが多用されていて、外部の自然光が利用されていました。外光を反射板で廊下まで導いている場所もあり屋内は全体的に明るい感じでした。天候の変化で外部から受ける輻射熱を調整するためにブラインドを制御しており、時折ブラインドの動く音とともに入射光量が変化していました。屋上には太陽光パネルが設置してあり、非常用発電設備と蓄電池と共にマイクログリッドを構成しているとのことです。建物の外壁には木材と樹脂から作られた一見木材に見える再生木材板を配置しており、環境に配慮しつつ、多くの研究用建物の外観が無機質になりがちのところデザインの工夫を感じました。また一部に壁面緑化もあり、既にある研究棟と比較すると外観・内部設備ともに設計の新しさを感じました。立派な研究設備なので目標のノーベル賞がこの研究所から出ることを期待しています。
研究機構の方々、阿部さんありがとうございました。

後記:
昼食は同建物内の食堂でとりながら月例会です。私の数少ない経験からして大学だけでなく多くの研究機関の食堂は食事というよりも食餌をサービスしているところが多いようです。これは国内だけでなく、案外海外でも当てはまります。今回同行した当会会長は食堂はもっと格調高くあるべきと指摘していました。リラックスして食事を取りながらの意見交換は研究者には良い機会を与えてくれます。最近白山にある東洋大学の地下の学生食堂に行く機会がありました。インド人がカレー料理を作っていて食したところそれは大変美味しい料理でした。かつての母校には典型的な学食があり、昼食時ともなると正に餌場の様相です。たしか味噌汁やカレーは保温の壺に貯められていて、その上空でのびたスパゲッッティやフライが盛られている皿が忙しく飛び交うように受け渡されていました。午前の早い時期と午後では味噌汁やカレーの味が微妙に変わる原因は、単に煮詰まるからだけではなく滑りやすいフライが皿からその壺にすべり落ちてしまうからだとの噂もありましたが、最近はどうでしょう。
米国の施設では建物に離接して駐車場があり、道路以外は芝生や立木が植えられています。夏場ともなると芝が伸びますが、よく刈り込まれています。大学や研究機関だけでなく、一般住宅やアパートでも芝のメンテナンスはよく行われています。ところが日本では構内に花壇や芝生があってもあまり手入れをしていません。芝生に背丈のある草が目立ったり、ぺんぺん草が伸びていたりすると全体の景観を損ねてしまいます。外観は印象を決めてしまいます。大学でもぺんぺん草が周りに茂っているようでは、荒れた感じを与えてしまい、セキュリティに影響を与えます。

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