「3人の80代の師」 (平成23年10月会長挨拶)

  生涯現役という言葉があります。
  私は、学校を終えてから独立自営で仕事をしております。文字通り、生涯現役を貫くつもりですし、また、そうせざるを得ません。
  技術士の資格を取得し、資格を活かし、生涯現役で頑張ろうと言う会員も多いと思います。本田前会長も80過ぎまで生涯現役でご活躍です。
  私は62歳です。70歳代、80歳代でどのようになるか、想像が付きません。しかし、お付き合いしている師が80歳代で、目標としています。
  まず、建築家の菊竹清訓氏です。83歳です。建築分野の方ならご存知の、早稲田が誇る世界の建築家です。
  早稲田卒業以来、独立自営で、世界に衝撃を与える建築デザインを創り出してきました。創作意欲と活動に大変なパワーをお持ちです。
  若い時弟子入りし大きな影響を受けました。独立後もご交誼いただき、よく国際会議等ご一緒しました。
  博士号を取りなさいと早稲田理工総研に研究費を用意いただき、非常勤研究員として招いていただきました。
  2人目は伊藤延男氏です。80代半ばと思います。日本伝統建築の文化財研究の第一人者で、文化功労章受賞者です。
  月1回日本建築研究会という伝統建築を学ぶ会を30年続けております。研究会の顧問です。
  研究会で全国の伝統建築の見学に出かけす。伊藤先生のおかげで、国宝、重文の建築物を解説付きで視察しております。
 伊藤先生は今でも学会論文を書き続け、最近では、お茶会の会記の文献を基に茶会の分析や、尺度基準から京都の都市の寸法の研究をしたりしています。
  3人目は永松陟氏です。83歳、剣道範師八段で、日本の代表的な剣道指導者です。現在私が剣道の指導をいただいている先生です。
  毎週2度稽古をつけていただいております。驚くのは、7段の若手がかかっても、軽くいなして、かわしてしますことです。
  稽古は1時間近くに及びますが、元に立ち、若い連中が5分単位で稽古をつけていただきますが、1時間立ち続け、指導を続けます。
  足腰も姿勢もしっかりし、スケジュール管理もメモも取らず記憶するという素晴らしさです。
  生涯現役で、このような師を目標に、元気で活躍できる80代を迎えたいと念じております。

原田敬美 技術士稲門会会長 72年建築学科、74年修士

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